■霧島便り71
【陰性便秘と陽性便秘】
一言で便秘といっても、その性質によって対応が異なります。
陰性便秘は文字通り、排泄関連がゆるんで、便を外に出す力が弱いことで便秘になる体質。
陽性便秘は動物性蛋白質の摂りすぎで、締まりすぎてゴボウなどの食物繊維を食べてもかさだけ増えて外に出せない苦しい便秘。
そこで「水溶性食物繊維」と「非水溶性(不溶性)食物繊維」の違いから、便秘に対する効果を考えます。
まず水溶性食物繊維ですが、ペクチン リンゴ、ミカン等の果物、芋類、 キャベツや大根等の野菜類、昆布、ワカメ等の海藻類、ガム質(キシリトール)、 大豆や麦がその部類に含まれます。
水分保持能力が強く、ドロドロと粘りのある状態をつくります。これは、小腸での栄養素消化吸収を抑えながらゆっくり機能させます。また、有害物質を吸着して体外へ運びます。
この水溶性食物繊維は便のかさを一気に増やさないので陽性便秘に効果が期待できます。
人体に有害な物質の吸収を防ぎながら、便として排出させます。糖尿病予防には必須で、ブドウ糖の吸収速度を遅くし、食後の急激な血糖の上昇を防ぐ働きもあります。さらに、動脈硬化の予防にも一役買います。コレステロールの吸収を抑制し、その結果、高血圧を予防します。水溶性の中でもアルギン酸は、余分なナトリウムを排除して血圧を下げる働きもあります。
※水溶性食物繊維の過剰摂取は下痢を起こし、必要なミネラルまで排出してしまうので気をつけましょう。
●水溶性食物繊維食品一例
レモン、ミカンなど全果、ゆず果皮、らっきょう漬、たらの芽、乾かんぴょう、にんにく、ひきわり納豆、菜の花、さつまいも(焼、蒸)、ジャガイモ、粉末抹茶、緑茶、アボカド、うずら豆、にんじん、カレー粉(スパイス類)、ユリ根、オクラ、モロヘイヤ、大麦(押麦)、あしたば、なめたけ、トマト、納豆、いんげん豆(ゆで)、つくし、茄子漬け、唐辛子、きんかん、梅干し、、各種わさび漬、豆味噌、芽キャベツ、茹春菊、切干だいこん、昆布、ワカメ、メカブ等の海藻類。
次に非水溶性(不溶性)食物繊維。大豆等の豆類、ごぼう、小麦、玄米などの穀類、野菜類、完熟野菜類などが含まれます。
腸の蠕動運動を盛んにし、消化管を通過する時間を短縮くします。
消化管内での水分を包み込んで容積を増加させ、便の量を増やして排泄を促進させます。
この非水溶性(不溶性)食物繊維は陰性便秘に効果が期待できます。
小麦ふすまやシリアル等の食物繊維は「非水溶性(不溶性)」が多いので、場合によっては鹿の糞のようなコロコロ便になることがあります。
非水溶性(不溶性)食物繊維は、特に豆類に多く含まれます。
水に溶け難く、水分を吸収してふくれ、腸壁を刺激して便の排泄を促進します。よく噛む必要があるため、歯茎や顎を強くします。また、非水溶性(不溶性)食物繊維の欠乏は、便秘や痔、発癌のリスクが高まります。
水溶性と同様に、非水溶性(不溶性)食物繊維の過剰摂取は、下痢を起こすと、必要なミネラルまで排出してしまうので偏り過ぎないように注意してください。
●非水溶性(不溶性)食物繊維食品一例
茹いんげん豆、茹ひよこ豆、茹小豆、茹大豆、よもぎ、米味噌、乾燥きくらげ、あんこ、 グリンピース、高菜漬、茶葉、おから、しそ葉、酒粕、生あしたば、唐辛子、えだまめ、干し椎茸、ゴボウ、しその実、栗、モロヘイヤ、エリンギ、パセリ、納豆、ラズベリー、カレー粉(スパイス類)、松茸、かんぴょう、 麦味噌、 豆味噌等。
※水溶性、非水溶性(不溶性)の食材はあくまでも目安です。これらは明確に分けられるものではありません。重複しているものもありますが、水分の含有量と料理法、摂取法(煮物、生サラダの違い等)によって性質が変わりますので、ご自身が陰性、陽性便秘のどちらに偏りがちなのかを把握しながら、バランスよく摂り入れてくださいね!
身体からの「小さな便り」が小便!「大きな便り」が大便!
身体の声をききながら、お便りを読みましょう!!
いざ快便!!!
木津龍馬
