■霧島便り67
【陰陽論】
中医学(東洋医学)の基本は「陰陽論」という考え方です。
陰陽論は古代中国の哲学思想で、この世に存在するものは、すべて陰と陽の対局(対立)した2つに分けられます。
「陰の水」に対して「陽の火」。「陰の夜」に対して「陽の昼」。「陰の月」に対して「陽の太陽」。「陰の女」に対して「陽の男」といった関係です。
陰と陽は正反対の性質をもっています。しかし、それは反発しあうのではなく、一方の特性の勢いが強くなりすぎないように、バランスをとりあっているのです。たとえば、火は水で消し、水は火で蒸発する、というような関係性です。そして、陰陽は調和をもって、お互いを助け合える関係性でもあるのです。
さらに、陰陽の関係性は絶対的なものではありません。同じ人であっても、活発に活動しているときは陽で、静かな音楽を聴いて落ち着いているときは陰となります。このように、陰陽とは、常に変化するものでもあります。
また、対するものが違えば、陰陽が逆になることもあります。男が陽の場合、女を陰とすることが基本ですが、親に対する場合は、親が陽で男の子は陰となります。
人間の体内でも、五臓が「陰」で六腑は「陽」とします。そして、病気の性質も陰陽に分類します。
虚証が陰で実証が陽。裏証が陰で表証が陽。寒証が陰で熱証が陽。
下半身が陰、上半身が陽。おなか側が陰、背中が陽。体内が陰、体表が陽。
このような分類を、様々な食材でも対応させて考えてます。
陰陽論は奥が深く、宇宙の根源である尊い法則だと思います。
木津龍馬