■霧島便り46
【階段】
明け方、山の中で木と石造りの急階段を登った。
足腰が弱っているのを実感する。
それでも景色を眺めながら歩き続けると疲れを忘れるから不思議だ。
色とりどりの葉っぱはみな微妙に違って、まったく同じものはふたつとない。
朝露にひかる木々は美しく、ところどころ積もる桜島の灰が水滴にやさしく包まれ流されていく。
ここしばらく
霧島の気温は急激に下がり、明け方ちかいと0度を切る日もあったが、今朝は春のように暖かい。
季節は変わる。
空の模様は毎分毎秒変わる。
流れ。
破壊と再生。
壊すものは
表層のみではなく
己の内面こそ。
「我のみ善し」の
古い自我意識を壊し
新たなる自分になれますように。
上塗りではなく
根こそぎ変容できますように。
明日から12月。
皆さま風邪などお召しになりませぬよう。
木津龍馬 拝
