■霧島便り38
【霧島山系温泉】
霧島山系は複合火山帯。数多くの温泉が湧出しています。その泉質は11種類もあるとのことです。
一説によると、温泉を人々が利用するようになったのは石器時代からではないかとも云われています。
実際に、温泉場近くでは石器時代の石器や土器が見つかることもあります。
当然、地球規模の地殻変動で今とはまったく異なる地形だったでしょう。
大昔、温泉は庶民にとって馴染みのないものだったようです。
逆に歴代天皇の温泉行幸、平安貴族たちの温泉入浴の記録なども残っています。
時代を経て、いつしか温泉も湯治場として広く一般的となり、「弘法大師発見の湯」「戦国武将湯治の湯」等の伝説が生まれました。
江戸時代になると、寺や神社詣等で、「旅」が一般的となり、温泉場も栄えるようになっていきました。
明治以降には、それまでの自然と涌き出ている温泉に浸かるだけではなく、機械による揚湯が使われるようになり、温泉地が飛躍的に増加しました。
昭和高度成長以降には、各企業の投資により続々と大きな旅館ができるようになり、より身近なものとなっていきました。
鹿児島県では霧島山系温泉が、最古と云われその中でも日当山温泉が有名です。
歴史は非常に古く、神代にまでさかのぼります。
伝説によれば、イザナギとイザナミの二神が足の立たない蛭子命をこの地に送り療養させたともいわれている土地です。
とはいえ、現実的な記録としては1825年(文政8年)以降のものしか残っていません。
日当山温泉は、水位が低いために地面を掘り下げた地下に湯壺を設置して利用されていましたが、1899年(明治32年)に古河八郎左衛門が水車を使って揚げ湯する方法を導入してから、庶民の利用が増え、多くの湯治客を集めるようになったと云われています。
古くから鹿児島の奥座敷として栄えた温泉場で、昔ながらの浴場が多いことで知られています。ちなみに、温泉地南西部にはヒルコ伝説にちなむ蛭子神社があります。
1825年(文政8年)に発見された湧出温度42℃の炭酸水素塩泉の日当山温泉は、西郷隆盛がよく浸かった湯として知られています。
「これぞ天下の名泉」と言わしめた程の名湯です。
その他、硫黄泉の丸尾温泉、炭酸水素塩泉の湯之谷温泉、硫黄泉の霧島神宮温泉郷、霧島温泉郷、炭酸水素塩泉の天降川温泉、妙見温泉、ナトリウム塩化物泉の城山温泉、単純温泉の霧島温泉などがあります。
※効果・効能:一般的適応症、やけど・切り傷、動脈硬化症、、慢性皮膚病、慢性消化器病、美人の湯、やけど・切り傷、、糖尿病、その他。
ちなみにM&Rアーカイブ内の温泉は、温泉名が硫黄谷温泉で完全掛け流し、というよりザーザー出っぱなし。
泉質は単純硫黄温泉です。泉色は、無色~白色で微硫化水素臭があり、PH値 6.9。
神経炎、筋肉痛、関節痛、五十肩、うちみ、くじき、冷え性、疲労回復、健康増進、便秘、禁忌症、急性疾患、活動性結核、悪性腫瘍、高度の貧血、呼吸不全、腎不全、出血性疾患等に効果効能があるとされています。
他の特徴としては、気候や気温により温泉の色が変化するので、とても珍しい泉質です。(大人四人が余裕で浸かれます)
お近くにおこしの際には、ぜひお立ち寄り下さいね~。
木津龍馬