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霧島便り

■霧島便り37

【国道10号線】

久しぶりに山から街におりた。

霧島から隼人を抜けて

国道10号線を海沿いに走る。

左手に桜島をみながら、鹿児島市内へ。



帰り道、夜の海沿いを国分に向かって走る。

車は比較的多い。

時間が遅いこともあって、みな二車線を跳ばしている。

途中、歩道をトボトボと後ろ脚を引きずり歩く白い犬と出会った。

ソフトバンクのCMに出てくるお父さん犬そっくりだ。

よくみると首輪をしている。

走行する車が多く、心配でハザードをつけながら、伴走よろしく、犬と同じ速度で車を這わせながら走った。

まあ、後方車には迷惑な走り方だ。


何か考えがあって、助けようと思ったわけではない。
ただ、心配で犬にあわせて走った。

例によって、自己満足全開である。


犬は車道に飛び出すわけでもなく、休むわけでもなく、舌をだしながらひたすら歩く。

犬の姿を見つけてから、10キロほど走っただろうか。
突然、白い犬はスピードをあげて走り出した。

さっきまで脚を引きずっていたのに・・・

突然走り出した。


アディダスのジャンパーを着た、小学生4年生くらいの男の子が、「いたーっ!いたーっ!」と 叫びながら白い犬に向かって走ってきた。

車の中まで聴こえてくる叫び声だった。

白い犬も、まっすぐに男の子に向かって走った。


目の前で、白い犬と男の子が接触した。

犬は男の子に飛びつき、尻尾をブンブンふり、ちぎれんばかりだ。

男の子はわんわん泣きながら、白い犬を抱きしめていた。大号泣だ。


犬は、ベロベロ、男の子の頭や顔をなめている。


映画のワンシーンのようだ。

少し遅れて、リードを手にしたお父さんらしい人が、白い犬と男の子のいる場所にきた。

犬はリードをつけられると、嬉しそうに親子に連れられて路地に消えた。


もう、後ろ脚は引きずっていなかった。



まいった。

泣いたー。


なんじゃこりゃー。


木津龍馬




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