■霧島便り28
【ハリケーンファミリービーーーム】
またまた飛行機ネタであります。
本日、浜松アドバンスのため、鹿児島空港を飛び立ちました。
隣に座るのは、今どきのバカップル。
なにやら2人で仲睦まじく、チチクリあっています。
「あのね、あっちゃん。昨日アメリカで台風凄かったみたいだよ」と彼女。
「あー、ニュースみた」と彼氏。
「あ、アメリカでは台風って言わないんだよ。たしかハリケーンだ」
「そうじゃね↗」(※注・この「そうじゃね↗」は日本語に直すと「あってる。それで良いと思うよ」という意味である。決して「そうではない」という否定文ではないのである。コツは「じゃね」を切り捨てるような言い方をして、↗語尾を上げるとばっちりキマルのである。)
「ならさ、向こうではさ、台風いっかのことをハリケーンファミリーって言うのかな?」と天真爛漫な彼女。しかも、人差し指で、巻き毛を、くるくるくる~とまわしながら言うのである。
くるくるくる~である。
・・・ 固まる木津(・・)
「おぉ。そうじゃね↗ハリケーンファミリー」と堂々と彼氏。
このお二人…
「台風一過」を「台風一家」と・・・
フライトアテンダントのお茶をいれる手が震えている。いや・・・笑いをこらえて揺れている。
前列シートの人の頭が揺れている。
木津はハラワタねじれて内臓が飛び出しそうである。(笑っちゃいかん、笑っちゃいかん。きっとギャグだ。ギャグにきまっている。これはダジャレなのだ)腹をおさえて苦しんでいる木津に、優しい青年は、なんと!声をかけてくれたのである。
「大丈夫ですか?」
この間合いと、声のトーンが絶妙なのである。こいつ天才だ。笑いの神だ。もうだめ。苦しい。
お声がけしていただいたことで、耐えられずに笑ってしまった。大爆笑である。
彼女のほうは
「なに?このオヤジ、頭おかしいんじゃねーのビーーム!」を僕に発射しているのである。
僕にはそんなの、嫌になるほど、すぐにわかるのである。
礼儀正しい木津は、きちんと「台風いっか」=「台風一過」、「台風一家」ではありませんよ。よって、ファミリーではありませんよ。の説明を無事にできたのである。
それを聞いた彼女は、顔を真っ赤にして、今度は「ふんっ!だから何よ、あんたにゃ関係ないし!ビーーム」を放つのである。
ところが、彼氏は
「まじすか!やべー!すげー!初めて知った!やべー!よかったー!教えてもらってよかったー!」
この違いである。
話しによれば、彼氏の故郷鹿児島に東京出身の彼女が一緒に遊びに来ていて、2人で東京に帰るところなのであった。
木津は思った。
「別れちまえ」
もちろん、声には出さないし、余計なお世話である。
しかし、この彼氏の純朴さは、際立っていた。所作のすべてに出ているのである。
茶髪くるくる巻き髪のイジケ怨みビームを放つ彼女にはもったいない男なのである。
まぁ余計なお世話である。
ちなみに
彼女のおっぱいが大きかったことは見逃さないのであった。
この彼氏は間違いなく、このおっぱいにヤラレたんだな。
ふ、ふ、ふ、まだまだ甘いな。小僧。
・・・羨ましいやつだ。
おけーべいべー。
押忍
木津龍馬