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霧島便り

■霧島便り254

【音楽に思うこと】



ロックはかつて若者の音楽だった。

しかし、楽器店ではフェンダーやギブソン、マーティン社製のヴィンテージギターや復刻版を購入するか否かで悩んでいるのは若者ではない。そのほとんどが、40歳を過ぎた人たちだ。
いま現在、ロック市場を支えているのは間違いなく中高年であると思う。


ロックに夢を見、十~二十歳代に輝いていた記憶を取り戻したい中高年層は、いまだに足を洗えないのだ。
VIP席で十数万円、普通でも一枚二万円はする海外アーティストのライヴへ出かけ、昔のCDのリマスター盤を大量に購入できる世代。


ライヴ会場は、おそらく観客にとって同窓会と同じような感覚であろう。

往年アーティストの健在ぶりを確認したとき、「まだ俺も頑張れる」とムチ打つひとも多いのではないか。

哀愁に浸るか、明日への活力源にするかは、ひとそれぞれ。


それほどロックには魅力があるし、ロックに限らず音楽とひとは切っても切り離せない。


世界中の神話や土着信仰にもみられるように、そもそも音楽とは天や地に捧げるものであった。


それがいつしか商業的要素に肥大化し、あらゆる場面で利用されるようになった。



・・・と、このように書くとみもふたもないが、やはり自然の「風の音」や「火の燃える音」「水の流れる音」にまさる音楽はないのだと実感する。


木津学



木津龍馬


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