■霧島便り239
【1966.Gibson.B-25】
夢にまでみたGibson。
3年前に手放して以来、執着よろしく、いつも再会を楽しみにしていた。
そして、ついに博多で再会したのである。
先代のGibsonは1956年製のGLシリーズだったが、今回は1966年製午年のB-25。辰年生まれの僕と二歳違い。
年代とシリーズは違えども、サンバーストで、見た目も音も、枯れ具合も先代と瓜二つであった。
前オーナーはカリフォルニア在住。
記録にはワンオーナーと書いてあり、信憑性には欠けるものの、りペアーもオリジナルを使って丁寧に仕上げてある。
それでもボディにクラックがあったり、ブリッジに接着あとがあったりと、けっこうくたびれているが、なんか自分みたいで可笑しい。
御年47歳のGibson。
47年間を経て、霧島へ。
自然界にとっては、47年なんて微々たる時間だが、大地に根をはった木々の歴史を考えれば、その命を材料にこのギターが作られたと思うと感慨深く、その時間は果しなく尊い。
職人たちのあり方も、質も、愛も、現代とはまったく違うものではなかったのだろうか。
いずれにしても、人間の都合で切り倒された命を礎に生まれたこのギター。
恋こがれたGibson。
たいせつにしよう。
今日は山に入ってつま弾くのだ。
木津学
