■霧島便り224
【彼岸】
お彼岸の季節になりました。
お彼岸は年に2回、春と秋にあります。それぞれ春分の日(今年は3月20日)、秋分の日(今年は9月23日)を中日として、その前後の3日を合わせた7日間を彼岸といいます。
皆さまご存知のとおり、この時期に、お墓参りの風習があります。
春の彼岸を「彼岸」「春彼岸」と呼ぶのに対し、秋の彼岸を「のちの彼岸」「秋彼岸」と呼ぶこともあります。
春彼岸は、3月17日を彼岸入りとし、3月20日を彼岸の中日(祝日。春分の日)、3月23日を彼岸明けとします。
秋彼岸は、9月20日を彼岸入りとし、9月23日を彼岸の中日(祝日。秋分の日)、9月26日を彼岸明けとします。
お彼岸にお墓参りをする理由は春分と秋分の太陽の日の出日の入りに関係しています。
春分と秋分は太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。
仏教では、「生死の海」を渡って到達する悟りの世界を「彼岸」といいます。その真逆側の私たちが生活する世界(迷いや煩悩に満ちた世界)を「此岸(しがん)」といいます。
「彼岸は西」に、「此岸は東」にあるとされていて、太陽が真東から昇って真西に沈む春分と秋分は彼岸と此岸がもっとも通じやすくなると考えられ、先祖供養にもっとも適する時期とされました。
もっとも、人間側が、何らかの都合で理由付したことではあるのでしょう。
ちなみに、お彼岸は、インドなど他の仏教国にはありません。
日本だけの行事なのです。
このように、お彼岸には、お墓参りはもとより、先祖や故人を供養する習わしが確立されました。
木津学
