■霧島便り207
【セミの讃歌】

蝉は幼虫として3~17年もの間、地下で生活をするといわれている。
長い地下生活をしながら、モグラやケラや蟻などの外敵から逃れ、土の中でも数回の脱皮をおこなう。
菌に侵されて死んでしまうものもいる。
何度もの試練を乗り越え
ようやく地上に出て最後の脱皮をする。
空を翔ぶことを許され
一週間~数週間
地上で賛美を歌う。
太陽の光を浴びて
賛美を歌う。
命の限り
賛美を歌う。
なんと美しいことか。
なんと逞しいことか。
大自然は容赦をしない。
大自然は愛だけだ。
木津学