■霧島便り168
【ドクダミのちから】
厚生労働省も薬理的に薬効を証明しているドクダミ。(「日本薬局方」にも記載されています。)
陰性。
多年草で繁殖力は絶大、強力。
ドクダミという名前は、「毒溜め」がドクダミへと変化してこの名がついた、という説と、「毒を矯める」という性質から「毒矯み」と呼ばれるようになったという説があります。
漢方では、十種類(実際は十種類以上)の効能があることから「十薬」とよばれ、古来から利用されています。
ドクダミ茶の原料となる葉、茎、の主成分はクエルチトリン、イソクエルチトリン、カリウム、デカノイルアセトアルデヒドなど。
クエルチトリンは血管壁を柔軟にして血圧を下げる作用があり、内臓の毛細血管を柔軟かつ強化します。
イソクエルチトリンは腸内でケルセチンに変化して血液をサラサラにするので、腸関連疾患にはもってこいです。
カリウムは体内にたまったの余分な塩分(ナトリウム)を排出する働きがあります。したがって、高血圧の予防にも役立ちます。
デカノイルアセトアルデヒドには強力な殺菌作用があり、蓄膿症予防にも効果があります。
その他、肌荒れの改善、高血圧の改善、脳出血の予防。強い利尿作用は腎炎、膀胱炎、前立腺肥大を改善します。糖尿予防にも最適です。腸の活性化作用により、便通、血行をよくし、むくみや肩こり、冷え性を改善します。
生葉の絞り汁を患部に塗りこむと火傷、湿疹、アトピー性皮膚炎などにも有効です。
さらにお風呂にドクダミをいれると皮膚病の改善や美肌が期待できるといわれています。
そして、神経細胞や筋肉組織を活性化する働きまであるのです。体内の水分を正常に保ち、調和をとります。利尿、排便、皮膚表面の汗腺の調節にも効果があり、自律神経をコントロールする働きもあることがすごいのです!
ドクダミ茶を毎年つくりましょう!!
※ちょうどいまの時期、5月~6月の白い花が咲く頃に、キレイな場所に生えているドクダミを採って水でよく洗い汚れを落とします。数日間乾燥させて、乾いたたドクダミを、小さく刻んで缶や瓶などに保管しておくと便利です。
水約1リットルに対して、乾燥したドクダミを大さじ2~3杯やかんに入れ、火にかけ沸騰させます。そこから弱火で約5~8分ほど煮詰めて出来上がり。
急須で飲む場合は、大さじ2杯のドクダミに、熱湯を注ぎます。
ドクダミ茶の味はクセがあるので、慣れない場合には、冷やすと飲みやすくなります。ただし、飲みすぎはおなかを下すので要注意です。
木津龍馬
追伸
ドクダミが漢方では「十薬」と呼ばれることを先に紹介しましたが、「大和本草」(江戸時代:貝原益軒(かいばらえきけん)著)の中にも「十種の薬の能ありて十薬となす」と記されています。
