■霧島便り166
【若年性更年期障害】
男性女性問わず、更年期障害は訪れます。
加齢による更年期障害とは、少々異なりますが、女性が発症する確率の高い若年性の更年期障害を、今回は説明します。
更年期障害は、陰陽バランスが崩れ自律神経の失調による症状のひとつです。
一般的に更年期障害は、月経が終わりに近づき不順になり始める前後約10年の期間に発するといわれています。
若い人がかかる若年性更年期障害は、加齢による状態とは違います。ストレスや生活環境の乱れにより更年期障害と同様の症状を起こすことを定義とします。
加齢による更年期障害は、40代前半からおこりやすくなり、半年~2年で症状が軽減するひともいれば、5年以上も停滞状況が続くひともいます。中には症状がまったくでないかたもまれにいます。
年齢を重ねるごとに卵巣機能が低下し、それに伴い、エストロゲン(女性ホルモン)が減少することが原因の一つとして知られています。
女性ホルモンが減少すると、自律神経中枢に影響を与えてしまいます。つまり、自律神経失調の症状が出やすくなります。
20代や30代が発症する若年性更年期障害の原因は、生活環境によるストレスなど肉体的や精神的に負担かかり、ホルモンバランスが崩れることです。それが自律神経に影響を与え、更年期障害と同様の症状が現れるとされています。
更年期障害は、他者(外部)から見ると病人という感じには見えない場合が多いため、理解されにくい病気の一つといわれています。
(一般的にいわれるヒステリーと混同されやすい)
男女問わず、突然症状がでる場合も多く、苦しい状況にある方も多いのです。
更年期障害の主な症状は、三種類に大きく分けられます。その三種類とは身体的症状、精神的症状、自律神経系の失調症状です。
身体的な症状は、身体が辛いと感じる、疲労感が取れない、肩こりがひどい、頭が痛い、腰痛がひどい、トイレに行く頻度が増す、尿漏れを起こす事がある、手足が冷える、寝付きが悪い、動悸や息切れを感じる事が多い、等の内容です。
精神的な主な症状は、常にイライラし、鬱の症状がでてきます。ささいな事に対してすぐカッとする、イライラが止まらない、気分が落ち込む、何もする気力が湧かない、等の内容です。
自律神経の失調にともなう症状としては、ホットフラッシュといわれる症状が頻発します。日常生活をしている時に、突然顔や身体がほてりだし、のぼせたような状態になり多量の汗が噴き出てくる症状です。これは特に、女性の更年期障害に多く見られます。
若年性更年期障害でも同様の症状がおきます。ひどい場合には、日常生活に支障をきたす事も多々あります。
このような更年期障害を緩和するためには、まず、食事改善が必要です。
女性ホルモンのエストロゲンが減少傾向になると、カルシウムが不足しがちになります。カルシウムの不足は、骨を弱くして骨折などの原因になってしまいます。(霧島便り114・霧島便り115『骨とカルシウム』参照)
更年期障害を緩和する為には、イソフラボンの摂取が有効です。カルシウムを多く含む、小魚類、海藻類、大豆食品を多く食べる等、カルシウムとイソフラボンを多く含む食品を積極的に摂取していくことが大切です。
そして運動です。毎日身体を動かし、適度な運動を行う事により、気分が変化しますから精神的症状の緩和に役立ちます。実際に多くの人に効果が証明されています。
毎日のスケジュールに、散歩や軽いランニング、ストレッチをする、等の簡単な運動を取り入れましょう。外を歩き身体を適度に動かす事で、気分転換が出来ますから、精神的症状が強い方はぜひお試しください。
若年性更年期障害の場合には、ストレスを溜めないよう注意し、生活環境や生活習慣の見直しをしてみましょう。ホルモンバランスの乱れが原因ですので、原因が改善できれば早めに辛い症状から抜け出せるでしょう。
あまり酷い場合には、医師に相談して治療法を探すことも必要です。
個人差も多いので、個別に相談されたい方はカウンセリングを受講してください。中医学からアプローチ致します。
木津龍馬
