■霧島便り161
【霧島便り番外・川の流れのように】
東京の初日、アドバンスカウンセリングを終え新幹線乗り場へ。
朝から恩師より「四葉のクローバー」の写真をいただき、あげあげハッピーな気分。
移動しながらボン・ジョヴィをガンガン聴いて、すこぶるご機嫌よし!大嫌いな人ごみの中を颯爽と歩いたのだ!
途中ATMに寄るとなんかトラブっている。嫌な予感。
どうやら並んでいる列に横入りしてきたおっちゃんと、それを注意した若者が罵声を浴びせあいバトルしている。周りは大迷惑。
ちょい聞きではおっちゃんが悪いが、すべてを見ていたわけではないので全容はわからん。
あ~あ~。うんざり。
気分だいなし。
僕の磁場なんて所詮こんなもん。
ボン・ジョヴィの曲が終わり、iphoneからは美空ひばりさまの「川の流れのように」が流れてきた。
なんというタイミングだ。うーん。よい唄だ。
しびれるね。
目の前に起きている景色とまるで違う。
おぉ~これが内的統制。
俺いまけっこうイケてる。かなり大人。他人のケンカに巻き込まれてたまるか。嫌だね~。暴力は。ピースがいいよ。ピースが。
と考えていたら、僕のイジワルへんてこ脳が動き出した。
このおっちゃんの耳にいきなりイヤホンをさしこんだらどうなるべ。
サイボーグ009の加速装置よろしく、イジワルスイッチが「カチっ」と入った木津である。
だめだ。身体が止まらない。あ~誰か止めて~。
おっちゃんの耳に後ろからイヤホンを突っ込んだ。もはや犯罪行為。
おっちゃん、当然ビックリする。目をまるくして僕をみて、唇をとがらせ、アワアワ言ってる。
ひとは思いもよらない出来事が起きるとパニックする。フリーズする。へんなリアクションになる。
僕はおかしくなってニヤニヤしている。完全にヤバイ奴に見えただろう。だって挨拶なしのいきなりである。そりゃ誰だって驚く。しかし僕はイジワルスイッチが入ってしまっているのだ~。
嫌がるおっちゃんの耳をつかんで動けないようにした。なんせ耳の中に鳴り響いているのは「川の流れのように」by美空ひばりさまである。
おっちゃんはあきらめて曲を聴いている。すっげー!僕の意図が伝わった。
若者にも無理矢理聴かせた。「だからなんだ」って顔をされた。
いまさっきまでバトルしていた2人が、イヤホンをそれぞれ片耳に入れられてひばりさまを聴いているのである。よくよく考えると絵が面白すぎる。ありえない。
僕たち3人はATMの列から当然離れてしまう。
並んでいる皆さんに、どうぞどうぞ~お先に~と誘導する。
最初からトラブルを知っている皆は変な目で見る。ちょっと困った顔だ。
あとから並んだ事情がわからないひとには仲良し三人組みなのだ。
「川の流れのように」を二回まわして聴く。
2人とも途中からおかしくなったらしい。さすが、ひばりさま!!
そしてそして、このあと3人で近くのタリーズでコーヒーを飲んだのだ。
いやーおもしれかったー。
長髪色黒髭オヤジをみて、かなりラリったヤバイ奴だと思ったらしい。まぁ、間違いではない。
ちなみに、このおっちゃんは僕の一歳年下だった。
分析してみればなんてことない。おっちゃんは若者を自分の息子と重ね、若者はおっちゃんを自分の親父と重ねてバトルっていたのだ。
漫画のような本日の出来事。面白い。日常は宝の山だ~。四葉のクローバーの写真は早くも幸せをくださったのだーっ!!
うーん、凄すぎる。
木津龍馬 品川より
「川の流れのように」
秋元康作詞・見岳章作曲
知らず知らず 歩いてきた
細く長い この道
振り返れば 遥か遠く
故郷(ふるさと)が見える
でこぼこ道や 曲がりくねった道
地図さえない それもまた人生
ああ 川の流れのように ゆるやかに
いくつも 時代は過ぎて
ああ 川の流れのように とめどなく
空が黄昏(たそがれ)に 染まるだけ
生きることは 旅すること
終わりのない この道
愛する人 そばに連れて
夢 探しながら
雨に降られて ぬかるんだ道でも
いつかは また 晴れる日が来るから
ああ 川の流れのように おだやかに
この身を まかせていたい
ああ 川の流れのように 移り行く
季節 雪どけを待ちながら
ああ 川の流れのように おだやかに
この身を まかせていたい
ああ 川の流れのように いつまでも
青いせせらぎを 聞きながら

