■霧島便り152
【瓦礫と土台工事】
朝から桜島へ。
静岡に想いをよせながら、瓦礫を、よっこらせ、よっこらしょっと運ぶ。
一輪車にのせてはヨタヨタ。トラックの荷台にのせてはヨタヨタ。トラックはトヨタヨタではなく日野。すまん。オヤジギャグ。
現場では異常な数の蝶々が集まってきた。その数たるやハンパない。10や20じゃきかない。100は居たといっても大袈裟ではない。なんてったって僕もはじめて見たのだが、現場のおじちゃんたちもはじめて見たと驚き桃の木不思議の木。だって花が周りにないのだ。
黒アゲハやモンシロ蝶、黄色、紫と勢揃いである。
頭に群がるわ、運ぶ瓦礫に群がるわ、腰に群がるわでさあ大変。
鳩に群がられ、フンまみれにされたことは何度かあるが、蝶々たちからは、はじめて。なんか自分が花になったようでめっちゃ気持ちよい。
太陽の凄まじい照り返しの中作業は進む。
さすが桜島。
夏にもなっていないのに、顔が真っ黒である。
もしかしたら黒すぎて、何かと間違えて蝶々さんたちは寄ってきたのかもしれん。 完璧に土方焼け。凄いことになっている。
午後は阿蘇の予定が急遽霧島神宮近くの現場へ。
ゴールデンウィーク。ファミリーカーでいっぱいだ。
霧島の現場で、これがまた、すっげーことが起きた。
鹿のおっさん(家にくる鹿のおっさんではない。似てたけど別の鹿)が、数頭で現場にいるこちらをみていた。
なにやら岩肌と土の間でゴソゴソとやっている。
なんか紐のようなものを口にくわえていた。
げ。蛇だ。でかい。長い。
作業員皆で固まった。完全フリーズ。はじめて見た。鹿が蛇をくわえる姿。なんじゃこりゃー。 ありえん。
すると、鹿のおっさん、「ぶんっ」と首を振って、蛇ちゃんを遠くに飛ばす。
漫画みたいに「ぺちっ」と聞こえた。
「ぶんっ」「ぺちっ」である。作業員皆で固まった。
笑えない。
何か悪いものをみてしまったかのように…黙々と皆で作業をした。
クジラやイルカがうちあげられ、鮎が大量死し、土砂が崩れている。
この「ぶんっ」「ぺちっ」もありか…
自然界にはいつもビックリである。
おっかなくて美しい。
残酷だけどユーモアがある。
背中と腰がバキバキで痛い。毎日が筋肉痛である。
なのに脳内ホルモンは、バリバリ幸せである。
世はゴールデンウィーク。
明日は土砂処理。
最近では筋肉痛や関節の痛みがないと、どーも働いた気がしない。
泥のように眠るのは
まっこと幸せ。
感謝。
皆さま、よい休暇を。
木津龍馬


