HOME > きりしまだより > 霧島便り131

メールマガジン登録はこちら 講演会の依頼はこちら FMきりしまプラス 木津龍馬
霧島便り

■霧島便り131

【穢れなき瞳】




事務所の周辺には実に様々な植物たちが混在している。その中でも、すさまじい生命力で他の木々に巻きつくツル植物がある。蔓(カズラ)はその代表格である。


先月、裏山のちょうど事務所の真上にあたる場所に、たくさんの山桜がお座すことにやっときがついた。

人間が植えたものではない自然の山桜のそばにいきたくて、崖をのぼった。

欲望まるだし。


道路工事での筋肉痛がひびく。

天然アスレチックよろしく、崖を自力でよじのぼるにはかなりの体力がいる。どうしてもロープ類が必要。


そこで活躍してくれたのが枯れた蔓だ。

岩の隙間から、何本かの蔓がロープのようにのびていた。


ここで下におちたら死んじゃうなぁ…誰にもわからないだろうなぁ…なんて考えながら、えっちらほっちら反り立つ岩肌をよじのぼった。


山桜はすっかり新緑に覆われ静かにたたずんでいた。
風に揺れる葉桜も美しい。

そのまん前にある名前のわからない大木には、まるで人間のめんたまのような「目」が 備わり、僕をみていた。

穢れなき瞳。


みつめられると

己の汚れが際立つものだ。

あー恥ずかしい。


木津龍馬



木津龍馬


調和力ごはん