■霧島便り120
【地獄の釜の蓋・キランソウ】

写真はわが家の庭のキランソウ。
生薬名は、筋骨草(きんこつそう)といいます。
鎮咳、去淡、解熱、健胃、血圧調整、下痢止めに効果が期待できます。
開花期の4月ごろ、全草を採取して水洗いした後、日干しにしてよく乾燥させます。
一回量、約10~15グラムに水0.5リットルを加えて、煎じながら約3分の1まで煮詰めて、こしたものを、1日3回に分けて飲用します。
僕のような田舎もんは、子どものころから、自然の中を歩くとき、とても重宝しました。母ちゃんに教わったことですが、中医学(漢方)の分野でも、ちゃんと記されちょります。
野山を歩いている時などに、虫さされな雑草にかぶれた場合に、茎葉をもみつぶして患部に塗ると、化膿した切り傷や腫れ物などから毒(膿)を出すことができます。
うるしかぶれや雑草かぶれのひどい場合には、煎じた液で患部を洗浄すると、あっというまにかゆみが止まります。
キランソウは、昔から知られる民間薬で、漢方薬局でもキランソウの名で乾燥葉を販売しています。
(※キランソウは別名「ジゴクノカマノフタ」「カマノフタ」ともよばれています。「茎葉が地表を這って密におおい、地面に蓋をしているように見えるから」「春の彼岸、地獄の釜が開く頃に花が咲くから。」という説があります。)
「日本の植物学の父」といわれ、世界的に有名な植物学者、牧野富太郎博士も「医者倒し、肥後ではセンブリをイシャダオシと言うとの事であるが、土佐では唇形(しんけい)科のキランソウをイシャダオシと称する。それはこの草が何かの病気によく効くために言うのであろうが、その辺は不明である」と文献に記述しています。
民間薬として古くから日本各地で使用されていたキランソウは、普通に見られる野草です。
皆さまも、野山を歩く際にはキランソウの恩恵をいただいてみてはいかがですか?
漢方の知恵のひとつとしてご利用あれ~\(^o^)/
今日の勉強おわり~!
\(^o^)/m(__)m\(^o^)/
木津龍馬