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霧島便り

■霧島便り115

【骨とカルシウム2】




血液中の濃度はカルシウムを調節するホルモンの働きにより、常に一定に保たれています。

人体のカルシウム摂取量が不足すると、血液中のカルシウム濃度を維持するシステムが作動します。そして、骨の中のカルシウムが溶け出して、結果的に骨密度が減少してしまうという悪循環がおこります。

これが陰性体質にありがちな状態です。

反対にカルシウムを大量摂取すると、血液中の余分なカルシウムが骨に取り込まれて骨密度が増加します。

人間の骨密度は、成長するにつれて次第に高くなり、20歳前後でピーク(最大骨量)に達します。その後20~30歳代まではピーク状態が保たれますが、40歳代後半ごろから次第に減少していきます。

骨密度の低下が加速し、許容範囲を超えると、骨折を起こしやすくなります。つまり、全身の骨密度が薄くなり、弱まると骨折を起こしやすくなります。この状態が「骨粗鬆症」です。

ここで、女性の骨と男性の骨の違いをお話しします。
女性ホルモンは骨密度を維持する働きがあります。そのため、卵巣の機能が衰え女性ホルモンが低下する閉経期直後の8~10年間に、骨密度が約20%も急速に減少します。

女性は男性に比べて成長期の途中でも骨密度がもともと低いうえに、閉経期後のカルシウム減少も加わり、中~高年期に骨粗鬆症になりやすいのです。大腿骨や背骨などの太い骨も骨折を起こす危険性が男性より数倍高いといわれています。

さらに、妊娠~授乳期にカルシウムを大量に必要とすることも、女性に骨粗鬆症が多い原因の一つです。

骨粗鬆症は、通常では大ケガをすることがない軽い衝撃でも、大腿骨や手首などの骨折が起こることがあります。

少し重いものを持ち上げようとしたり、軽い尻もちをついただけで、背骨が押しつぶされる圧迫骨折を起こします。背骨の圧迫骨折は、はっきり認識できないまま、少しずつ進むこともあります。その場合は慢性的に背部や腰部の痛みが初期症状となります。痛みがなく、本人の自覚がないまま、いつの間にか背中がまるくなり、背が縮んでいたということもあります。

骨折しにくい丈夫な骨を作り骨粗鬆症の予防をするには、若年時に充分な骨密度を確保しておくことが肝要です。そして、閉経期以後の骨密度の減少速度を遅くすることです。

特に女性は甘いモノが大好きです。白砂糖、スナック菓子、清涼飲料水、等の甘いモノの摂りすぎは体質を陰性に傾け骨の性質も陰性よりに傾けます。つまり、骨がゆるみ、弱くなるということです。

最近では、小学生の中にも骨が弱くなっているという報告がされています。
成長期に陰性の食べものが増えれば当然といえます。
骨密度を増やし保つには、一日あたり約700~800mgのカルシウムが必要です。

穀物+タンパク質+野菜 を組み合わせ陰陽バランスのとれた食事をとることが基本です。カルシウム生成に必要なビタミンDや、骨の丈夫さと緊密な関係をもつビタミンK系などをしっかり摂取することが重要です。

木津龍馬

『骨とカルシウム3』に続く


木津龍馬



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